結びの男ーひとー展プロジェクトin茅ヶ崎 Vol.2

 

 

『ごちそうさまでした。とても美味しかったです!ありがとうございます。』

 

 

 

普段、あまりにも耳慣れたこの言葉たちを、
こんなにも美しいと感じたのは、一体、いつ以来だろうか?

 

 

 

父が結び終わった、ピカピカの14個のおむすびを前に、
西嶋家の面々がいっせいに手のひらを胸の前でピタリと合わせ、
「いただきます!」と、声をそろえた。

 

 

「こうちゃん、きょう、もうお結び4個目じゃない?」

 

だって、美味しいんだもの・・・、と言わんばかりに
いたずらっぽく笑う男の子。

 

 

そして、食事を終えると、
先ほどの冒頭の言葉

 

『ごちそうさまでした。とても美味しかったです!ありがとうございます。』

 

 

を、「はじまり」の時と同じように
皆が声高らかに、笑顔で発し、食事の幕は閉じた。

 

 

わたしも、やや間があった後、
ワンテンポ遅れ、
西嶋家の皆の後にならった。

 

 

 

 

「お外でご飯を食べるときにも言うよ^^」

「ママとパパ、二人だけの時でも、言ってるよ^^」

娘さんが、誇らしげにそう教えてくれた。

 

 

『ごちそうさまでした。とても美味しかったです!ありがとうございます。』

 

言葉が、生活にしっかりと根づき、
この家の「人格」となっていた。

 

 

 

西嶋家の「結びの男ーひとー」は、
自分の内側に
空よりも海よりも大きな愛をたたえた
寡黙な山のような男(ひと)。

 

 

そして、この日が人生で初めての「むすび」だったと言う。

 

ーなぜ、水を入れたボールがお米の傍にあるのか?

 

と先ず尋ねられたが、
その理由は、むすび始めてすぐに、
自らが知るところとなった。

 

「サッカーボールにして!」

 

「わたしは、三角!」

 

次々と背後の子供たちからの無邪気な要求が飛び交う。

 

「ええ・・・そんなこと言ってもさあ・・・」

 

 

困惑し、言葉を優しく濁しながらも、
その両手は明らかに、「サッカーボール」を形作っている。
それを、興味津々で見つめる子供たちの視線の、
なんと眩しいこと。

 

 

 

「結びの男ーひとー」の撮影をしながら、
面白いことに氣がついた。

 

 

 

それは、こちらがポジションの指示など敢えて出さずとも、
(実際に今まで一度も指示等は出してはいない。)
普段の家族のひとりひとりの立ち居地、
距離感を、知らず知らずの内に、
再現して見せてくれることだ。
そして、ホンモノの「絆」は、
必ずフレームに、寸分狂わず、ぴたりと納まってくれる。

 

 

 

 

最後の一粒まで、
結び終えたとき、
「結びの男ーひとー」は、
家族への溢れんばかりの愛と、
家族から自らに注がれた同様のものとを、
沈黙の中、静かに味わっているようだった。

 

 

 

 

実はきょう、
たまたま外で昼食を食べることとなった。
食事を終えた後、
わたしは小さな声で、つぶやいた。

 

『ごちそうさまでした。とても美味しかったです!ありがとうございます。』

2017.5.28 茅ヶ崎 西嶋家にて

 

 

 

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[ 結びの男ーひとー展プロジェクトin茅ヶ崎 Vol.2 ]結びの男ーひとー展プロジェクト2017/05/30 20:38