結びの男ーひとー展プロジェクトin茅ヶ崎 Vol.1

 

「熱っち~な~!熱っ!熱っち~!」

 

炊き立ての米が、こんなにも熱いのだと言うことに、
先ず、大概の男性は慄(おのの)き、驚く。

 

 

 

けれど、だからと言って、
彼らはおにぎりを「結ぶ」ことを、
容易く放り投げたりはしない。

 

 

この時の彼らは、顔を険しくゆがめ、必死に何かと戦っている。
普段、家族の前では決して見せない表情がそこにはある。

 

 

額にたまった汗を、妻が優しく拭い、
ただ、じっと、見守る。
束の間、静寂が訪れる。

 

 

子供は、
普段とは明らかに違う父親の所作に、
次第に異変を感じ取る。

 

「パパは、いま、必死に”何か”頑張っている」

 

 

「何」・・かは分からない。
けれど、明らかに、僕らのために。
何かを為し遂げようとしている。

 

さっきまでゲームに夢中だった子が、
氣がかりなのか、父親の近くをうろうろし始める。

家族が、それぞれの持ち場についたとき、
「信頼」と言う「色」も「カタチ」もない
けれど確かな「空氣(エネルギー)」が 部屋一杯に満ち始める。

 

その「空氣(エネルギー)」に、共に飲み込まれながら、
人と人との「縁」の不可思議さを、改めて思う。

 

 

 

「結び」と必死に戦っていた男(ひと)の表情は、
いつしか穏やかな「祈りの人」のそれへと変わっていた。

 

 

 

 

2017年、5月28日。茅ヶ崎にて。

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